足場工事
足場工事とは、外壁や屋根など普段は手が届かない箇所で作業する際に足場を設置する工事のことで、用途に応じて鋼製や鉄製などの各種足場を用います。
施工を行う職人のケガを防ぎ、命を守るためのものであり、車に例えるとシートベルトやエアバッグのような役割を果たすため、建設現場においては必要不可欠なものです。
足場には様々な種類があり、現場によって適切なものを選びます。
「施工期間を短くしたい」「コストを抑えたい」など、ニーズに合わせたご提案も可能です。
足場の設置が完了したら、中の物が建築現場の外側に飛び出さないように、また、塗料などの飛散防止のために、足場の外側をメッシュシートで覆います。
足場の種類
次世代足場
これまで主流であった枠組み足場やくさび式足場に比べて、安全面・施工性・管理面・運搬など全面的に改善された足場になります。
次世代足場が他の足場と大きく違うのは、階高(床から上階の床までの高さ)です。
今までの足場の階高は1700mmのものが一般的でしたが、次世代足場の階高は1800mm~1900mmのものが数多く出回っています。
現在、日本の20代男性の平均身長は171.5cmのため、次世代足場では屈みながら作業をすることが少なくなり、職人の負担軽減にもつながっています。
次世代足場は、「手すり先行工法」にも対応しています。
手すり先行工法とは、足場を組み立てる際、最上段の床へ乗る前に、作業床の端部となる箇所に適切な手すりを先行設置することで、足場端部からの転落を防ぎます。
解体時にも常に手すりがある状態のため、安全に作業することができます。
枠組み足場
足場工事の中でもっともオーソドックスなタイプで、鋼管を門型に溶接された建枠を中心に、ジャッキ・筋交・鋼製布板などの基本部材を組み立てる足場のことです。
枠組足場の各部材は軽量で扱いやすい形状となっており、かつ高い強度を保持することが可能です。施工の高さは原則地上45mまで組むことができ、組立・解体が容易といった特徴があります。
そのため、主に建設現場のビルの外壁面に沿って設置されます。
ハンマーによる打ち込みがないため、組み立て時の騒音が比較的少なく、ご近所様にもご迷惑のかかりにくい足場となります。
くさび式足場
くさび式足場とは、一定間隔に緊結部を備えた鋼管を支柱とし、手すりや筋交などを支柱の緊結部にくさびで緊結するタイプの足場のことです。
ハンマー1本で簡単に組み立てができることが大きな特徴です。
足場を設置する敷地が狭く、建物の形状が複雑でも、盛替えや組み替え作業が簡単にでき、建物の形状に容易に対応できる足場として使用されています。
以前は木造家屋などの低層住宅工事用の足場として多く使用されてきましたが、最近では中層建築工事用、もしくは高層建築物の外壁の塗り替えなど、短期間の補修工事に使用されることも増えてきています。
単管足場
単管足場とは、鋼管で作られた単管パイプに、クランプなどの基本部材を組み立てる足場のことです。
単管パイプとクランプを軸に、柔軟に足場の形状を変化させることができるので、小規模な工事の作業現場や狭いビル間での足場、低層の外壁塗装用の足場として多く使われています。
組立が簡単なため、場所を選ばずに設置ができます。
移動昇降式足場
移動昇降式足場は、超高層・中低層マンションの大規模修繕工事をはじめ、橋梁、煙突、ダム、プラントなどの各種工事で活躍しています。
他の足場ではシートで日当たりと風通しが悪くなり、プライバシーの侵害と足場からの侵入者など様々な心配ごとがうまれるマンションの修繕工事でも、建物全体をシートで被う必要がない移動昇降式足場であれば、工事作業外の階層は景観を損ねることなく日常生活を送ることができ、セキュリティ面でも居住者の精神的負担を軽減します。
また、組立・解体作業にかかる時間が短く、仮設の工期短縮をはかることで、トータルコストの削減が可能です。しかも安全に作業を進めることができます。
機材はコンパクトに運搬できるので、通常の足場に比べて輸送コストと手間もかからず、高層であるほど削減することが期待できます。
吊り足場
吊り足場は、施工場所の下が川や道路といった通常の足場を設置できない環境において、上から吊り下げるように設置する足場のことです。
橋梁工事足場からプラント、造船、大空間建築のメンテナンスなど、高所作業用足場として使用されることが多いです。
高所で横方向かつ、広範囲の作業が中心の現場に適していて、通常の足場では物理的、コスト的に不適切な現場で活用されます。
作業箇所全面に吊り足場を設置することで、盛替えの必要がなくなり、一気に一連の工事を進めることができます。
危険度の高い作業場所でも素早く設置でき、安全性が高く、作業のしやすさも兼ね備えています。